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『風の旅人』 31号

FIND the ROOT 永遠の現在

時と命

私以前の全ての「時」と「命」が、私の一瞬の「時」と「命」に重なっている。

望月通陽

白い荒野 津軽

© 小島一郎

© 小島一郎

© 小島一郎

水の時と命

© 高橋宣之

© 高橋宣之

© 高橋宣之

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※掲載写真の印刷物への使用は法律で禁止されています。

vol.31 2008年4月発行

定価 ¥1,200(税込)
全150ページ 30×23cm

 私たちは、今この瞬間に影響を与えている「過去」から、今この瞬間の影響を受けていく「未来」まで含んだ「時間全体」の中の一瞬一瞬を、不可逆的な波となって、複雑精妙な関係性のなかで様々な影響を受けたり与えたりしながら生きています。すなわちこの一瞬の営みは、どんなものでも未来に対して何らかの揺らぎと影響を与えていく可能性を秘めたものです。
 しかし、今日の社会で教えられることは、私たち一人一人の営みとは関係なく遠い昔に「時間の始まり」があって、それが「終わり」に向かって進んでおり、その予め定められた直線的な時間の中に個々の営みが位置づけられているという概念です。
 私たちは、本来、様々な関係の波を受けて次の波に伝える波の一つであるはずなのですが、現代社会の時間概念によって、波間に浮かび不安定に揺らぐ小舟のようなイメージを与えられています。
 しかし、この世界は何一つ予め定められていたり直線的に固定できるものはなく、常に流動的に乱れ非線形に変化していきます。その流動状態のなかで、一人一人のリアリティにそって、一人一人が生きる「時」や「場所」が生じ、それらの「時」や「場所」が寄せ集まり、互いに影響し合い、せめぎ合い、全体としてなるべくして整えられた波となって、うねうねと伝わっていきます。
 一人一人は、波間に浮かぶ小舟ではなく、波そのものとして互いの相補関係のなかで生きている。そうした感覚がリアルになり、それに基づいて行動することが自然になると、「時」や「場所」や「生命」に対する考えが相転移を起こすのかもしれません。

雑誌『風の旅人』編集長 佐伯 剛

【 表紙・裏表紙 】

望月通陽

【 写真 】

【 文章 】