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『風の旅人』 40号

FIND the ROOT 彼岸と此岸

二つの時間/境の旅

※下に紹介している写真は誌面全体のごく一部です。

極北の命

© 八木清

© 八木清

© 八木清

Underground

© 内山英明

© 内山英明

© 内山英明

縄文のコスモロジー第2回 縄文の人間学

© 滋澤雅人

電気の働きに満ちた宇宙?第9回 太陽

≪ Before

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vol.39 2010年2月発行

定価 ¥1,200(税込)
全165ページ 30×23cm

【 表紙・裏表紙 】

表紙写真/安井仲治・裏表紙写真/北義昭

【 写真 】

【 文章 】

     


 春風の花を散らすと見る夢は  さめても胸のさわぐなりけり 西行

 定義すると、可能性の極限とは次のような地点のことだ。
 すなわち、一人の人間が、存在のなかで自分にも理解しかねる立場に置かれていても、まやかしと恐れをかなぐり捨てて、もうこれ以上先へ行ける可能性が思い描けないほど遠くへ進んでいく、そんな地点のことなのである。

 不安のない知性の純粋な活動といったものを想像してみたところで(哲学はそういう袋小路に閉じこもっているのだが)、どんなに空しいか言うまでもないだろう。
 不安は、知性に劣らず、認識の手段なのであり、他方で可能性の極限は生であると同時に認識であるのだ。
 そして交わるということは、不安と同様に、生きかつ認識するということなのである。

 可能性の極限は、笑いを、恍惚を、死への恐怖に満ちた接近を、予想させる。さらに錯誤と嘔吐も予想される。可能性と不可能性の間の絶え間ない動揺も予想される。