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死があるからこそ生は輝き、
生があるからこそ死は厳粛になる。
喜びと悲しみもまた、
お互いに深め合う関係として表裏一体である。
この世の一切のものは、
単独で存在するための合理的な原理を持たず、
様々な原因と条件が寄り集まった
繊細なる総体として成立している。
© Lu Nan / Magnum Photos Tokyo
© Lu Nan / Magnum Photos Tokyo
© Lu Nan / Magnum Photos Tokyo
© Lu Nan / Magnum Photos Tokyo
© Nakamura Ikuo
© Nakamura Ikuo
© Nakamura Ikuo
© Nakamura Ikuo
※掲載写真の印刷物への使用は法律で禁止されています。
定価 ¥1,200(税込)
全150ページ 30×23cm
現代社会は、「死」や「悲しみ」や「苦痛」を遠ざける方向に発展してきました。
そして、人間に都合の良い部分だけを抜き出した「物」を堆く積みあげることが豊かさであるかのような広告やPRが氾濫しています。
しかし、自然界に目を向ければ、「死」と「生」、「悲しみ」や「苦痛」と「喜び」は裏表一体の関係であることがわかります。
自然界においては、「死」の厚みが、豊かな生を育んでいます。それゆえ、自然界から糧を得ているという感覚を備えていたかつての人間は、「死」が「生」を育むことを知り、それがゆえに「死」に対する厳粛な心構えを持ち得たのだと思います。
自然を傍に感じながら生きていれば、モノゴトが一巡するたびに、生と死(喜びと悲しみ)が一体であることが感じられる。その一巡を厚く積み重ねることが円熟であり、それこそが本当の豊かさであると知ることができる。
人間生活において、たとえ自然を傍に感じられない環境になっていても、困難さや悲しみを厚く積み重ねることで、生の喜びが一層増すことがあります。そして、人間の都合でどちらか一方を遠ざけると、結果的に両方を遠ざけてしまうように思われます。
死の実感もなければ生の実感もなく、痛みも弱ければ喜びも弱い営み。それを豊かさだとみなし、そこに向かって努力することをけしかけられる今日の大量消費社会。
「風の旅人」第24号の特集 ROUND of LIFE において、今日の大量消費社会で見失われがちな、「生」と「死」、「喜び」と「悲しみ」が一体化した世界をお伝えできればと思います。
雑誌『風の旅人』編集長 佐伯 剛
齋藤亮一
HOLY LIFE / チベット
photos・text / 呂楠
/ Magnum photos Tokyo
LIFE IN DEATH / 生と死を育む海
photos・text / 中村征夫
OUR BLESSING / 日本・収穫と食
photos・text / 大橋 弘
FINE LINK / 湿原の生命
photos・text / 山下大明
SALT OF LIFE / キューバ
photos・text / 齋藤亮一
現実と幸福
text / 養老孟司
幸福とは何か?
text / 日髙敏隆
何を信じて生きるのか
text / 酒井健
他力であること
text / 前田英樹
「世界写真」について
text / 管啓次郎
スピリチュアルという怪物
text / 田口ランディ
故郷の喪失
text / 佐伯啓思
皮なめし工場での体験 −最終回−
photos・text / 関野吉晴
晩い春の旅
text / 川田順造
衆生本来仏なり
text / 甲野善紀
無感覚の罪
text / 森達也
「動き」と「眼差し」と、この時代
text / 小栗康平
虚構の人物と共に長い時間を過ごすこと
text / 古谷利裕
“溜め”のない社会の歪
text / 保坂和志
ほんの小さなことの中に
text / 茂木健一郎